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吉野家の失敗と今後の展望

2016/04/23

以前の吉野家が小盛り販売への記事で、、、

値段は下げなくてもいいから、安っぽさを出さない、価格競争に乗らない路線にしないと、米国産の牛肉にこだわっていても他店と同じ土俵で比較されてしまって意味がない

と書いた矢先ですが、吉野家さんは捨て身の値下げに踏み切った様子。

その結果がこれ。

※2010年4月のキャンペーン
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吉野家 ¥380→¥270 7~13日
松 家 ¥320→¥250 12~23日
すき家 ¥280→¥250 9~21日
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1週間は吉野家の天下だと思ったのでしょうが、ライバルの2社もかぶせるようにして値下げキャンペーンを合わせてきて、フタを空けてみればたった2日のみの最安期間

原価が高いほうが自分から価格競争を仕掛けたら、利益度外視でライバル社は当然のってくるでしょう。
(安くすればするほどファンが増えるというのが安易だという考えは否定できませんが・・・)

吉野家は今後どうすればいいのか?

勝手に、しかもおおざっぱに考えてみます。

●前提条件1.吉野家は(他店と比較)高級なアメリカ産牛肉を使っている
●前提条件2.吉野家の調理法には他店に真似できないこだわりがある
●前提条件3.吉野家は肉の量が少ない

施策1:調理のこだわり+アメリカ産のよさをアピールすべし

牛丼そこまで食べないので分かりませんが、そこまでここの牛丼じゃないと嫌というお客は少ないと思います。コストのかかる米国産牛肉を使っているのにそれを生かしきれていないということ。

言われなきゃほとんどの客は食べ比べしても分からないでしょう。しかし安全性と米国産牛肉の長所をアピールすることで初めてお客さんから認知されます。

さらに実は吉野家の牛丼は白ワインを使った極秘レシピ。他社に吉野家の味は真似できない、といわしめたほどこだわった行程をもっとアピールしましょう。
確かソースは吉野家の経済学

施策2:値段を下げない。量を増やす。

牛丼の中心層は?女性や子供ではないでしょう。
以前吉野家にいったときに出てきたどんぶりの割合は、『米5:タマネギ3:肉2』くらい。

一口も食べてないのにごはんが3分の1くらい見えるんですよ。冬場にスキー場に行ったら地肌がそこらじゅうに見えた時と同じ心境。

店員に問い詰めるわたし。
「肉の割合おかしくないですか?量、きちんを計ってるんですか?」

店員:「ちゃんと重さ計ってますよ。普通ですが」

なるほど無言で食べました。きっと店員さんのせいではなかったのでしょう。

しかし、これではどんなに美味くても行く気がしません。

お肉食べた~いって人の大半はガッツリ食べたいものじゃないでしょうか。その点、例えば松屋の肉系定食はお肉ダブル盛りというアップグレードコースも用意しており盤石。すき家のしょうが焼き定食もデフォルトで他店の2倍という嬉しいお客目線。

というわけでバリエーションが他店よりも少ないのに、肉食男子のニーズを満たさないメニュー構成も大きな要因です。アメリカの経営者は、お客が何を求めているかよくわかっているようで・・・

参考:そしてこいつがアメリカ版牛丼!! 大盛りなのに、日本の特盛以上!! 肉がめちゃ多いっす!!
日本も見習うべきっす(日本のは肉が少ない!!!怒)
http://ameblo.jp/workame/entry-10432371932.html

この2点を改善して価格競争につきあわない。高級路線でいけば吉野家のファンはきっと増えます。

【早い・うまい・安い】

という一時代を築いた理念というかコア・コンセプトが、時代が移り変わった今、復興の足かせになっているのではないでしょうか。
安さを追求する他店の土俵や消費者の表面的な(※)ニーズに安易に迎合すれば、質を求めてきた企業は潰れるに決まっています。

消費者=お客サマには、隠れた価値(ここでは極秘レシピ?や米国産牛のメリット)という認知されていない価値をアピールして安くない値段にも喜んでお金を払って貰いましょう、と思うのです。

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蛇足ですが、こんなのありました。

「株主への優待券一覧」

吉野家:投資10万ぐらい 300円券*10(年二回、2・8月)
ゼンショー:投資6万ぐらい 500円券*6(年二回、3・9月)
松屋フーズ:投資13万ぐらい 700円までの定食が食える券*10(年一回、3月) 

配当までは考えてない。3月は終わっちゃったので、次期にはお好きなのをどうぞ。
ソース:http://blog.livedoor.jp/himasoku123/archives/51465033.html(コメント欄)

年間1万円あたりの還元額では

吉野家:600円
ゼンショー:1000円
松屋フーズ:538円

とのこと。
※ソースの真偽はわかりかねます。

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